相続における預貯金の仮払い制度

相続の際に、遺産分割が成立するまでに、預貯金から一定金額を借りに支払うことを認める制度が、2018年7月6日に成立の改正民法、家事事件手続法で設けられました(2019年7月1日施行)。

これについては、法律が、かなり分かりやすく書いてあるので、そのまま引用します

家事事件手続法200条3項

遺産分割の調停または審判申し立てがあった場合、被相続人の債務(借金など)の支払い、相続人の生活費の支払いなどのために、預貯金を使う必要があると認めるときは、申し立てをすれば、預貯金の全部または一部を仮に使うことを認める。ただし、他の共同相続人の利益を害することはできない。

民法909条の2

相続人は、相続財産である預貯金の3分の1に法定相続割合をかけた金額については、単独でその権利を行使することができます。ただし、金額は、法務省令(まだできていません)で定める金額を上限とします。
なお、そのお金については、遺産分割の一部として支払われたものとみなされます。

類似の制度として、遺産の一部分割という制度がありますが、こちらの仮払い制度の方が緊急性を要する場合に対応した制度となっています。

なお、遺産の一部分割については、こちらの一部分割についてのコラムをご覧ください。

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